国立大学法人名古屋工業大学安全保障輸出管理規程

 

平成22年2月24日 制定

 (目的)
第1条 この規程は,国立大学法人名古屋工業大学(以下「本学」という。)の安全保障輸出管理(以下「輸出管理」という。)の基本方針を定め,適切な輸出管理体制を構築・整備することにより,輸出管理の確実な実施を図り,もって国際的な平和及び安全の維持の観点から我が国の教育研究機関として国際的責任を果たすことを目的とする。
 (適用範囲)
第2条 この規程は,本学が行うすべての技術の提供及び貨物の輸出に関する業務に適用する。
 (定義)
第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
 一 外為法等 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」という。)及びこれに基づく輸出管理関連の政令,省令,通達等をいう。
 二 居住者 外国為替法令の解釈及び運用について(蔵国4672号昭和55年11月29日)6-1-5,6(居住性の判定基準)に従い,居住者として取り扱うこととされる自然人及び法人をいう。
 三 非居住者 居住者以外の自然人及び法人をいう。
 四 特定類型該当者 外為法第25条第1項及び外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という。)第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(4貿局第492号)1(3)サ①から③までに掲げる者(自然人である居住者に限る。)をいう。
 五 技術の提供 外国における技術の提供若しくは外国に向けて行う技術の提供又は非居住者への技術の提供若しくは非居住者へ再提供することが明らかな居住者への技術の提供をいう。 
 六 貨物の輸出 外国向けに貨物を送付すること(自ら手荷物として海外に持ち出す場合を含む。)又は外国へ送付されることが明らかな貨物を国内で送付すること。
 七 取引 技術の提供又は貨物の輸出をいう。
 八 輸出者 技術の提供又は貨物の輸出を行おうとする役職員等をいう。
 九 リスト規制技術 外為令別表の1の項から15の項までに定める技術をいう。
 十 リスト規制貨物 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)別表第1の1の項から15の項までに定める貨物をいう。
 十一 キャッチオール規制技術等 外為令別表の16の項に定める技術及び輸出令別表第1の16の項に定める貨物が,大量破壊兵器若しくは通常兵器の開発等に用いられるおそれのある場合には,経済産業大臣に許可申請を行うことをいう。
 十二 需要者 技術の提供については当該技術を利用する者,貨物の輸出については当該貨物の需要者をいう。
 十三 大量破壊兵器等 核兵器,軍用の化学製剤若しくは細菌製剤,若しくはこれらの散布するための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。
 十四 大量破壊兵器等の開発等 大量破壊兵器等の開発,製造,使用又は貯蔵をいう。
 十五 通常兵器 大量破壊兵器等以外の輸出令別表第1の1の項に該当する貨物をいう。
 十六 通常兵器の開発等 通常兵器の開発,製造又は使用をいう。
 十七 該非判定 提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物が,リスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するか否かを判定することをいう。
 十八 取引審査 提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物の該非判定の内容のほか,用途及び需要者等を確認し,本学として当該取引を行うかどうかを判断することをいう。
 十九 役職員等 本学の役員及び職員その他本学に雇用されている者をいう。
 (基本方針)
第4条 本学の輸出管理の基本方針は,次のとおりとする。
 一 国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあると判断される技術の提供及び貨物の輸出は行わない。
 二 外為法等を遵守し,経済産業大臣の許可を受けなければならない場合は,責任を持って当該許可を取得する。
 三 輸出管理を確実に実施するため,輸出管理の責任者を定め,輸出管理体制を適切に整備し,充実を図る。
 (最高責任者)
第5条 前条の基本方針に基づき,輸出管理に係る業務を適正かつ円滑に実施するため,輸出管理の最高責任者(以下「最高責任者」という。)を置き,学長をもって充てる。
 (輸出管理責任者)
第6条 最高責任者の下で輸出管理業務を統括する輸出管理責任者を置き,最高責任者が指名する理事又は副学長をもって充てる。
2 輸出管理責任者は,次の各号に掲げる業務を行う。
 一 輸出管理に係る規程等の制定及び改廃に関する業務
 二 該非判定及び取引審査の承認並びに記録の保存に関する業務
 三 輸出管理業務の指導及び監査に関する業務
 四 輸出管理の教育に関する業務
 五 経済産業省への輸出管理業務に係る相談及び許可申請に関する業務 
 六 その他輸出管理全般にわたる業務(特定類型該当者の把握を含む。)
 (該非確認責任者)
第7条 該非判定及び取引審査の確認を担当する責任者として該非確認責任者を置き,輸出管理責任者が指名する者をもって充てる。 
 (輸出管理アドバイザー)
第8条 本学に,輸出管理アドバイザーを置き,輸出管理責任者が指名する者をもって充てる。
2 輸出管理アドバイザーは,本学の輸出管理業務を適正に実施するための指導・助言を行う。
 (安全保障輸出管理部会)
第9条 本学における安全保障輸出管理に関し必要な事項を審議するため,研究インテグリティマネジメント委員会の下に安全保障輸出管理部会(以下「部会」という。)を置く。
2 部会に関し必要な事項は,別に定める。
 (事前確認)
第10条 輸出者は,技術の提供又は貨物の輸出を行おうとする場合は,別に定める輸出管理の事前チェック表に基づき,相手先に関する懸念情報,非居住者又は特定類型該当者への該当性及び例外規定(公知の技術,基礎科学分野の研究活動における技術)の適用判定等について事前確認を行い,取引審査の手続の要否について,輸出管理責任者への確認を得なければならない。ただし,取引審査を行う必要があることが明らかな場合は,「輸出管理事前チェック表」による事前確認を省略することができる。
2 前項の事前確認により,取引審査の手続が必要と判断された場合又は取引審査を行うことが明らかな場合には,輸出者は,第11条に規定する該非判定,第12条に規定する用途確認及び需要者等の確認を行い,第14条に規定する取引審査の手続を行わなければならない。
3 第1項の事前確認により取引審査の手続が不要と承認された場合には,輸出者は当該取引を行うことができる。
 (該非判定)
第11条 輸出者は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物がリスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するかについて該非判定を行い,「該非判定書」を提出するものとする。
2 該非判定は,以下のとおり行う。
 一 輸出者は,必要な技術資料を整備し,最新の外為法等に基づいてリスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するかを該非判定する。
 二 本学以外から入手した技術の取引を行おうとする役職員等は,入手先からの該非判定書等により,前号同様,適切に該非判定を行う。ただし,入手先から該非判定書等がなくても本学として前号の手続により該非判定できる場合には,入手先から該非判定書等の入手を省略することができる。
 (用途確認)
第12条 輸出者は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物の用途について,大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等に用いられるおそれがないかを,別に定める安全保障輸出管理チェックリスト(以下「安全保障輸出管理チェックリスト」という。)を用いて,次の各号に該当するか否かを確認するものとする。なお,需要者以外から間接的に得ている情報については,当該情報の信頼性を高める手続を定め,当該手続に沿って確認を行う。 
 一 リスト規制技術及びリスト規制貨物については,大量破壊兵器等の開発等若しくはそれ以外の軍事用途に用いられる,又はこれらのおそれがあること。
 二 キャッチオール規制技術等については,大量破壊兵器等の開発等又は通常兵器の開発等に用いられるおそれがあること。
 (需要者確認)
第13条 輸出者は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物の需要者等について次の各号のいずれかに該当するかを安全保障輸出管理チェックリストを用いて確認するものとする。なお,需要者以外から関越的に得ている情報については,当該情報の信頼性を高める手続を定め,当該手続に沿って確認を行う。 
 一 提供ルート内関係者の存在・身元に不信な点があること。
 二 経済産業省が作成する外国ユーザーリストに記載されていること。
 三 大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等を行う又は行ったことが入手した資料等に記載されていること,又はその情報があること。
 四 軍若しくは軍関係機関又はこれらに類する機関,又はこれらの所属者であること。 
 (取引審査)
第14条 輸出者は,次の各号に該当する取引審査の手続が必要とされた場合は,リスト規制及びキャッチオール規制の観点から別に定める取引審査票等を,該非確認責任者に提出し,一次審査を受けなければならない。 
 一 第11条第2項に規定する該非判定の結果,技術の提供又は貨物の輸出が輸出令別表第1の1の項から15の項,又は外為令別表の1の項から15の項に該当する場合
 二 第12条の第1号又は第2号のいずれかに該当する場合
 三 第13条の第1号又は第4号のいずれかに該当する場合
 四 経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム)を受けた場合
 五 第1号から第3号までに該当するか否か不明の場合又は疑義がある場合 
2 取引審査票には,仕向地,技術・貨物の名称,該非判定の結果,当該技術等の需要者,用途等を記載し,審査に必要な書類を添付するものとする。
3 該非確認責任者は,第1項の規定により取引審査票等の提出があった場合には,一次審査を行った後,輸出管理責任者に対して,二次審査を申請するものとする。
4 輸出管理責任者は,前項の申請があったときは,申請内容について二次審査を行い,取引審査の最終判断を行うものとする。この場合において,輸出管理統括責任者による承認の最終判断ができないときは,最高責任者の判断によるものである。 
5 輸出管理責任者は,前項の取引審査の結果を輸出者に通知するものとする。
6 輸出者は,輸出管理責任者の承認を得ることなく,当該取引を行ってはならない。 
 (外為法等に基づく許可申請)
第15条 前条に基づく承認により外為法等に基づく経済産業大臣の許可を受けなければならない場合,最高責任者は,経済産業大臣に対して許可申請を行うものとする。
2 許可申請の際に提出する書類は,事実に基づき正確に記載しなければならない。
3 輸出者は,外為法等に基づく許可が必要な取引については,経済産業大臣の許可を得ている確認を行わない限り当該取引を行ってはならない。
 (契約書等への明示)
第16条 外為法等上の許可が必要な技術の提供又は貨物の輸出を行うときは,需要者との契約書等の書面を交わすものとする。
2 前項の契約書等には,原則として次の事項を明記するものとする。
 一 経済産業大臣の許可を受けなければならない技術の提供又は貨物の輸出については,許可を取得するまで当該契約は発効しないこと,又は許可を取得できないものは当該契約の対象から除外すること。
 二 大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等に転用しないこと。
 三 許可の条件を遵守すること。 
 (技術の提供管理)
第17条 輸出者は,技術を提供する場合,事前確認及び取引審査の手続が行われたこと,並びに外為法等に基づく許可を受けなければならない取引の場合には,経済産業大臣の許可が取得されていることを確認しなければならない。ただし,事前確認により取引審査の手続が不要と承認された場合には,取引審査の手続の確認は要さない。 

2 輸出者は,前項の確認ができない場合は,当該技術の提供を行ってはならない。 
3 輸出管理責任者は,前項の報告を受けたときは,事実関係を把握し,適切な措置を講ずるものとする。 
 (貨物の出荷管理)
第18条 輸出者は,貨物を輸出する場合,事前確認及び取引審査手続が行われたこと,並びに貨物が出荷書類の記載内容と同一のものであることを確認し,また,外為法等の許可が必要な貨物の輸出の場合には,経済産業大臣の許可が取得されていることを確認しなければならない。ただし,事前確認により取引審査の手続が不要と承認された場合には,取引審査の手続の確認は要さない。
2 輸出者は,前項の確認ができない場合は,当該貨物の輸出を行ってはならない。
3 輸出者は,通関時に事故が発生した場合は,直ちに当該輸出手続を取り止めて輸出管理責任者へ報告するものとする。
4 輸出管理責任者は,前項の報告があった場合は,適切な措置を講じるものとする。
 (報告及び再発防止)
第19条 外為法等又はこの規程に違反する事実又は違反のおそれがあることを知った者は,その旨を速やかに輸出管理責任者に通報しなければならない。
2 輸出管理責任者は,前項の通報があった場合,当該通報の内容を調査し,違反する事実の有無を確認するとともに,適切な措置を講ずるものとする。
3 外為法等に違反する事実が判明したときは,輸出管理責任者は遅滞なく最高責任者に報告するものとする。
4 最高責任者は,前項の報告を受けたときは,遅滞なく関係行政機関に報告し,再発防止のために必要な措置を講じるものとする。
 (監査)
第20条 輸出管理責任者は,最高責任者の指示の下,本学における輸出管理が,外為法等及びこの規程の定めに基づき適正に実施されていることを確認するため,定期的に監査を実施するものとする。
 (教育)
第21条 輸出管理責任者は,最高責任者の指示の下,外為法等の遵守及び本規程の遵守の重要性を理解させ,確実な実施を図るため,役職員等に対し,計画的に教育を実施するものとする。
 (関係書類の保存)
第22条 輸出管理に関する文書,図画及び電磁的記録の保存期間は,技術の提供又は貨物の輸出を行った日の翌年度の4月1日から起算して7年間とする。
 (措置)
第23条 学長は,故意または重大な過失によりこの規定に違反した者及びその関係者に対して,国立大学法人名古屋工業大学職員就業規則(平成16年4月1日制定)等に基づく懲戒処分等の適切な措置を講ずるものとする。
 (事務)
第24条 輸出管理に関する事務は,関係部局の協力を得て,研究支援課において処理するものとする。
2 前項の関係部局とその協力事項は,別表のとおりとする。
3 関係部局は研究支援課とともに,必要に応じて別表の協力事項の内容について,役職員等の輸出管理に関する相談等に対応するものとする。
 (雑則)
第25条 この規程に定めるもののほか,輸出管理に関し必要な事項は,別に定める。
   附 則
 この規程は,平成22年4月1日から施行する。
   附 則
 この規程は,平成23年4月1日から施行する。
   附 則(平成24年7月26日規程第7号)
 この規程は,平成24年8月1日から施行する。
   附 則(2021年2月17日規程第19号)
 この規程は,2021年2月17日から施行する。
   附 則(2023年3月22日規程第31号)
 この規程は,2023年4月1日から施行する。
   附 則(2024年3月27日規程第41号)
 この規程は,2024年4月1日から施行する。
 
別表(第24条関係)

主な協力事項

担当課

外国人留学生の研究テーマの変更又は指導教員の変更

学務課

外交人留学生等の受入れ(他の課及び室の所掌に属するものを除く。)

入試課

外国人留学生等の受入れ(他の課及び室の所掌に属するものを除く。)

国際交流活動に伴う貨物輸出・技術提供及び外国人研究者への技術提供

(学生・職員等の交流,国際会議・シンポジウムの開催等)

国際交流課

産学官連携活動に伴う貨物輸出・技術提供,外国人研究員のプロジェクト研究への参画

(受託研究,共同研究,技術移転,プロジェクト研究所関連)

研究支援課

施設見学等の外国からの訪問者への対応

総務課

職員等の採用,海外出張及び兼業

人事課

貨物(物品)の輸出

経理課